甲南大学 知能情報学部 神原研究室


テレビゲームを共にプレイして楽しませる対話ロボット

友達のように一緒にTVゲームをプレイするロボットの開発
研究概要 近年,日常生活における会話が不足しており,この問題の解決策として,人に代わって話し相手となり,発話を促す対話ロボットが注目されています。しかし,ロボットとのコミュニケーションの楽しさが持続せず,モチベーションを保てないことが課題となっています。本研究では,ロボットとの日常的な楽しいコミュニケーションを演出するために,ユーザと一緒にテレビゲームをプレイする対話ロボットを提案します。提案手法は, ロボットの発話を制御するだけでなく, ゲームキャラクタを操作することでゲーム展開も制御します。初めに,提案ロボットの設計にあたって,人同士のテレビゲームの対戦を分析する予備実験を行った結果, ゲームの状況やイベントに合わせた発話によって, より楽しさが増すことがわかりました。 また,プレイヤが一方的に負けた場合には楽しさが減少していました。この結果をもとに,提案ロボットは,ゲーム操作のレベルを調整し拮抗した勝負を演出しつつ,ゲームシーンに合わせて発話しユーザの楽しさを高めるように設計しました。発話文は,予備実験でプレイヤをポジティブにしたものを実装し,これを友好的なロボットを設定するとともに、一方でネガティブにした挑発的な発話を%中心に行うロボットを敵対的なロボットも設定しました。提案ロボットがユーザの楽しさに与える影響を検証するために,友好的なロボット・敵対的なロボット・ロボットなしの3条件の対戦で,被験者30名に対し,アンケートによる主観的評価を行う実験を行いました。その結果から,どちらのロボットも,1人で遊ぶよりも楽しさが高いことが示され、また、友好的なロボットはユーザ全体で評価が高く,敵対的なロボットはユーザ間で好みが分かれることが明らかになりました。
関連文献 ・Shogo Kanda, Masayuki Kanbara, Taishi Sawabe, Yuichiro Fujimoto, Hirokazu Kato, "Robot to Play Video Games Together," HAI '23: Proceedings of the 11th International Conference on Human-Agent Interaction, Association for Computing Machinery, pp.238-245, Sweden, Gothenburg, 4 Dec. 2023, https://doi.org/10.1145/3623809.3623832

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